うつ病になると、憂うつになることや悲観的なことばかり想像してしまいます。また、どこにも異常はないのに身体的な症状がでるようになります。耳鳴りやめまいがするなどの身体的な症状がでているのに、病院では異常が認められず、精神科を勧められて初めてうつ病だと気づく人もいます。思考力も低下し、今までやっていた趣味をしようと思わなくなったりするなど意欲の減退も見られます。まさか自分がうつ病になるなんてというショックと、職場に迷惑をかけるというような、病気を受け止め切れない気持ちから、悔しさを感じ、自分を責めるようになります。食欲が減り、テレビが見られなくなることや、本や新聞などが読めなくなる場合もあります。また、それにあわせて、不安な気持ちが強まる人もいます。この不安感が強まると、不安障害になりやすくなります。不安障害には、パニック障害や強迫性障害などが含まれます。また、最近では若者を中心に新型うつ病という病気も増えてきています。正式には非定型型うつ病と言います。この病気は、うつ病のような症状がでて、仕事を休職したとしても、自分の好きなことはできるので、旅行に行くことや、趣味を楽しむことができます。しかし、自分の嫌なことはできないので、突然落ち込みだすなど、気分の差が激しいのも特徴です。周囲からは仮病ではないかと疑われ、理解を得にくい病気です。しかしこの病気で罪悪感を持つなどして苦しんでいる人がいることも事実です。今特に社会問題とされている病気です。また、関連する病気に、躁うつ病があります。憂うつ感などの抑うつ症状が見られますが、この病気は、うつ症状に加えて高揚感や自尊心の高まり、注意散漫といった躁状態が現れます。うつ状態と躁状態を繰り返すため双極性障害と呼ばれます。双極性障害であるのに、うつ病だと誤診されるケースもあります。双極性障害は、?型と?型があります。?型は、躁の症状が重く、躁状態が1週間以上続きます。?型は躁の症状が軽く、症状も短い期間で収まります。躁状態が4日前後続き、うつ状態は2週間程度続きます。また、この病気には混合状態があり、うつ状態であるのに、躁の症状が出る状態のことを言います。さらに、ラピッドサイクラーになると、短期間で、1年に4回以上うつや躁を繰り返します。うつ病の診断は難しく、発達障害やパーソナリティ障害など、他の病気の可能性もあるため、慎重な判断が必要です。治療法は、入院や薬物、認知行動療法などが効果的です。心身の異常を感じたら、早めに病院にかかることが大事です。早期発見と早期治療が、病気をよくする要因になります。